| Message du Casse-Croûte キャス・クルートからのメッセージ 【8月28日】 日々の暑さに夏が過ぎ行く事を忘れてしまいそうですが、 夕刻の陽射しと、ふと吹く風に季節の終わりを感じます。 毎年、暑さも「あと少し...がんばろう」という気持と、 抜けるような青い空の夏が 「終わる事」へのさみしさとが 交わりますが、 「秋の食」を思い、大きな期待を胸に それぞれの食材を思い描きながら、新たなメニューを 書き始める時でもあります。 毎年恒例の「夏メニュー」もあとわずか.... 野菜とお肉をたっぷりと召し上がっていただき、コースの最後は、 桃とミントの爽やかなスープで、暑さを忘れる元気メニューです。 コースの中でお客様から、一番多くのお声を頂くのは もちろん主役の「牛肉」とその「ソース」。 赤身と脂質がほど良く混じり合っている肉を、ストレスをかけないように、 丁寧に焼き上げることで、やわらかく肉汁をたっぷり含んだ、 フランス料理ならではの【ステーキ】として仕上げているメイン料理。 そのソースには、スペイン産の肉厚のアンチョビと焦しバター、 フォンド・ヴォーをベースにしたものです。 直接的な強い塩味ではなく、甘みとコクを兼ね備えた 素晴らしいアンチョビとの出逢いがあってのこの【ソース】 付け合せの野菜のティアンと共に、一皿の完成度を押し上げてくれている 大切な素材のお陰です。 そして 二番目は「桃のスープ」... お客様からは 『桃が桃以上に美味しいのがすごい!』 とのお褒めの言葉を頂いています。 爽やかな中にも桃の上品な甘みや果肉の食感が スープという一つの料理となっている、デザートらしく、 うれしい締めくくりになっています。 これから秋に向かって桃も少なくなっています、夏の食の食べおさめ.... どうぞこの『桃が桃以上』の美味しさを味わってください。 > 【7月24日】 夏のスペシャルメニュー 明日25日から、キャス・クルート一昨年から始めた【夏の元気メニュー】の 第3回目がスタートします。 梅雨明けが待ちどおしいこの季節から、夏の終わりまで(9月9日)、 お客様が《元気になるメニュー》《夏に食べたいメニュー》をテーマにています。 メニューのメイン料理は、毎年大好評の和牛。 ランプの中でも、赤身と脂身のバランスがグリルに適した部位のみを 香ばしく焼き上げます。食べごたえのある塊をグリルしますが、 お肉を美味しく召し上がっていただく為少しの間・・・ お客様がオードブルを召し上がり終わる頃からじっくりと 温かいお皿の上でお肉を休ませてあげています。 ナイフとフォークで切り分けて肉汁がお皿の上に流れてしまうようではいけません、 《口の中でジューシー》なお肉に仕上げるのが、私たちの役目ですから。 ソースはすっきりとした焦しバターをベースに、アンチョビ、フォンドヴォーを使って、 肉の旨みを押し上げる味に仕上げています。そして大切なのは《つけ合わせ》です。 夏の野菜とジャガイモの食感を残しながら、ブイヨンを使ってオーブンの中で 焼き上げた特製ティアン(プロヴァンスのティアンという器を使った料理に付けられる名前)。ソースと共に噛むことで旨みが広げるランプ肉を、より美味しく食べていたけよう、 タイムの香りと野菜とジャガイモの甘み、そしてブイヨンのコクが一体となった 私の大好きな料理を添えてあります。 オードブルは野菜のお皿です。その野菜の美味しさを際立たせる脇役として、 甲殻類のコンソメゼリーと甘海老の食感と甘みが必用でした。 もちろん野菜自体にフランス料理ならではの手法を使い、香りを含ませていますが、 せっかくのスペシャルメニューですので、贅沢なコンソメで夏の食欲を視覚の涼やかさと ひんやりと冷たい口当たりで楽しんでいただけるようにしています。 レストランの語源は《元気回復》といわれています。 秋や冬、春に楽しむ食材の豊富さはありませんが、調理法や組み合わせで 【涼】をとることや、噛みしめ味わう事で食を楽しむ事など、 夏に嬉しい【食】はたくさんあるように思います。 アミューズやオードブルを含め、コース料理の楽しさが満載です。 皆様のご予約お待ちしています 【7月17日】鶏胸肉のマリネ、ラタトィユ添え フランスの夏のイメージを形にした料理です。 暑く食欲が落ち、「味わう」というより「さっぱりと食べたい」が先になるこの季節、南仏の代表的で、フランスの食の象徴でもある「ラタトィユ」と、低温でゆっくりと火を通した鶏胸肉を合わせ、「しっかり食べる」オードブルにしました。 鶏胸肉というと、味気なさやパサ付きがちなイメージをお持ちではないでしょうか?調理法や味を好きなように表現できるこの素材は、料理人にとっては素敵なキャンパスでもあるのです。 たっぷりの香味野菜や滋味豊かなブイヨンの中でゆっくりと火を通した胸肉の美味しさは格別です。合わせたのは南仏野菜の冷製煮込み「ラタトィユ」、「かき混ぜる」という言葉から生まれたこの料理は、文字通り野菜をお鍋の中で「かき混ぜる」ことでそれぞれの野菜の良さを一つになるように調理した私の大好きな料理の一つを一緒に召しあがっていただきたくメニューに載せました。 十代の終わりに始めてフランスを一人旅した時に、ニースで食べたラタトィユは最高に美味しかった記憶があります。燦々と降り注ぐ太陽の光、何処までも続く青い海、ネグレスコホテルのある海岸通りは(プロムナード・アングレ)思わず走り出してしまいたくなる雰囲気でした。憧れの地で味わうからこそなのでしょうが、野菜の旨みと濃さが渾然一体となっていて、甘みも酸味も強く、ハーブの香りが「私をフランスにいる!」と実感させてくれたのでした。 胸肉の美味しさの驚き 野菜の力強さ 温泉卵をソースにして口に入れたときの喜び この三つの「驚き」が一皿に盛り込まれている贅沢な一皿になっています。 主役は?と問われたら、全てが主役になることができ、全てが脇役になってしまう事にもなるので、私にとってはバランス一番大切になる怖い一皿でもあります。 どうぞ暑い時期に食べて元気を出せるこのひと皿をお楽しみください。 遅沢 聡 【7月17日】 【クレオール支配人、服部より遅沢シェフの紹介】 私が初めてシェフの遅沢と会ったのは今から7年前のちょうど今頃。 恵比寿レスパスに着任前の挨拶で訪れた際に 「実家の山梨から送ってきたものです」と 美味しい桃を出してくれたのが当社に入って3年、既にレスパスで ストーブ前を任されていた当時21歳の彼でした。 若干の不安もある新しい職場。 微妙な心持ちの私に、その桃は甘くてとても美味しく、 「迎え入れてもらっている」と感じさせてくれるものでした。 気おされてしまうほどのその若さと勢い。 常に次のこと、より良くすることをどんどん考え実行していくスタイルは 彼がずっとオーナーの佐々木の下で日々を重ねていたからだと思います。 当時からオーナーの周りには、私などが普通では直接お話させて頂けない ような方々、大先輩方がよくお集まりになられていました。中にはとても 著名な方々も....。緊張してサービスしていたものです。 そんなお集まりの際にはその日だけの特別コースが用意されたり、 時には突発的なご要望からまさに即興の料理が供されたり、と 常にハラハラドキドキの連続。 その時にオーナーの差配の下、実際に腕を振るっているのはいつも彼でした。 その緊張はサービスの私とは比べ物にならないくらいのプレッシャーを 伴っていたと思います。 出来上がるお皿は....出来立てだからというだけではない、いつもとは 一段違うライブ感、躍動感にあふれていて、料理の力が、皿を持った私を、 お客様の元へ押し出してくれている、そんな感覚を持ちました。 一方、その端正で豊かなお皿の表情は、 それぞれの世界で実績を重ねられてきた諸先輩方をも納得させるもので、 彼の年齢や経験だけでは作り得ないと思われるもの。 オーナーの意図をたちまちに飲み込んで形作っていく、彼の持ち前の 吸収力には本当に感心させられました。 そして....お客様から頂くお褒めの言葉。 「こういうのは他所では食べられない」 「ここまで焼いてくれているぎりぎり絶妙の加減がいいんだね」 「無理してお願いした即興のお皿が意外と一番印象に残ったりするよ」 中には 「さすが佐々木さんが作ると違うわね」となり、 「実は作っていたのは....」となる場面なども。 そんな大先輩方のご縁の中で、 たまの休日にも貴重な機会として研修に出かけていた彼。 あれから7年。若さと勢いに感心した「遅沢君」ではなく、 恵比寿、目黒、白金の全てのメニュー、調理、サービスを蓄積した 「遅沢シェフ」としてキャス・クルートに戻ってきました。 心が穏やかになるような、身体の中から癒されるような、 そして「美味しい」と声に出したくなるような、 そんな気持ちにさせてくれる料理で 「シェフ遅沢」が皆様をお出迎えさせて頂きます。 レストランクレオール 服部 裕和 【7月10日】 真鯛のカルパッチョ、海草のヴィネグレット 今回、キャス・クルートの夏のメニューをノートに書きしるしながらふと気づいたら、 自分が今まで食べた料理、その中で特に記憶に残る料理、心が動かされた時を思い返していました。その記憶のひとつが今回ディナーのオードブルとなった《真鯛のカルパッチョ》があります。 カルパッチョ・・・ベニスにあるハーリーズバーで生まれた料理です。牛肉をうす切りにしてソースと共に食すのがオリジナルで、画家のカルパッチョが使う《赤》がこの料理の牛肉の色とかさなりオマージュとしての銘々だそうです。 その料理が欧州の有名店に広がり、魚の生食の習慣を持つ日本ではカルパッチョ=白身魚のうす切りをソースと共に提供される料理となり、今ではイタリア料理のみならず、色々なジャンルの店でも、人気NO1となっているそうです。 私が特に印象に残っているカルパッチョは、パリのジャックカーニャで食べた時でしょうか。 その記憶を辿り、私なりに一工夫して、この一皿が出来上がりました。 白身の魚に軽く塩をパラパラとふってあげることによって甘みがでて、酸味を足してあげるこで鯛の甘みと塩味のバランスをとって、深い味わいとなります、もちろんそのバランスは経験からくる一瞬指先加減で決まるとても怖い一瞬でもあります。 添えてある海草は、海の香りとその歯応えで、旨みを引き出した鯛をより美味しく感じていただける合いの手としてお皿に盛り込みました。 しっかりと調理した生の魚、《カルパッチョってお刺身とは違う味わい》であることを皆様にも是非味わっていただきたくご紹介します。 遅沢 【7月2日】 キャスクルート7月より遅沢シェフが着任しました。 シェフからのご挨拶 「三年前より、白金台クレオールのシェフを任されていましたが、 この7月より荻野シェフの後を引き継ぎ、キャス・クルートのシェフを 任されることとなりました。 私にとってこのキャス・クルートは見習いの期間、以前シェフとして任されていた数年間を含め一番長く携わっていたお店です、その分愛着も大きく、今回この場の料理を任されることに大きな喜びと自分自身に対して、新たな転機となる期待感が大きくあります。 この三年間で学んだこと、それは「クオリティー」への執着です。 具体的には、食材と向かいその特徴を見つめ、他の食材と組み合わせ構成する際の完成度の高さです。フランスの日常食としての家庭料理や地方料理があり、人が集うビストロやブラッスリーは、キャスやレスパスでしょう。一方、ハレの日として「レストラン」がありますが、クレオールはそういう意味で、とても完成度の高い料理を作ることが日常になります。切り方、火の通し方、味のあわせ方、盛り付け方などに常に緊張感が伴う三年間でした。 この沢山の期間の経験を、今度はキャスクルートに活かしていきたいと思っています。 キャスらしい料理を意識し、大胆に繊細に、オリジナルとトラディショナルなものを織り交ぜたメニュー構成を考えています。その中で一番大切にしている事。それは「野菜料理」です。季節ごとの野菜は力強さもあり、優しさもあります。付け合せも含め、お客様に「野菜がこんなに美味しいだ」という事を実感していただける料理を作っていきます。 これからの暑い夏、食欲が無いときにでも、キャス・クルートの料理を食べて 元気になってください、五感を刺激する料理と居心地のより空間を ご用意してお待ちしています。 新しいキャス・クルートの料理、私の一皿を是非食べにいらしてください 遅沢 聡 |

